ビューティ

「やっぱりサロンワークが好き」 ファッション業界人のファンも多いヘアサロン「フリューリ」誕生秘話

 「WWD ビューティ」の月刊化第1号となった9月号では、「ファッション業界人も通うヘアサロン」を特集した。取り上げた「フリューリ(FLEURI)」は、昨年9月にヘアメイクとしても活躍するSakieスタイリストが立ち上げたヘアサロンだ。特集内では、「フリューリ」のこだわり、なぜファッション業界人も通うサロンなのかについて解説しているが、そもそもなぜサロンをオープンしたのか?サロンから独立してフリーランス美容師として、ヘアメイクの仕事なども行う20代後半〜30代の若手美容師がここ数年増えている中で、あえてサロンをオープンした理由を聞いた。

WWD:まずこれまでの経歴を教えてください。

Sakieスタイリスト(以下、Sakie):専門学校卒業後、都内のサロンに就職しました。そのサロンは海外にも店舗展開をしていたので、自分が希望したことやタイミングもあって、ニューヨークでも2年間スタイリストとしてサロンワークをしました。ヘアメイクの仕事は前サロンのときからやっていて、自分のサロンをオープンした今でも月に5〜6件ほどヘアメイクの仕事をしています。

WWD:雑誌の撮影やアートワークの制作などヘアメイクとして精力的に活動しており、サロンをオープンしなくてもヘアメイクとしての道も選べたのでは?フリーランス美容師も最近ではどんどん増えていますよね。

Sakie:昨年、前サロンを離れることを決めたときにはヘアメイクとしての道も考えましたが、やっぱりサロンワークが大好きなんです。撮影やこういった取材もサロンのお客さまがきっかけとなってつながっていくことも多いですし、サロンでの会話から撮影が決まることもあります。モデルさんも、撮影のときに自分のサロンを持っていることを話すと来てくれることも多く、いろいろなつながりを持てます。撮影現場ではアレンジや毛流れを変えたりしてその瞬間でかわいいものをつくるという点が勉強になります。一方でサロンワークはカットやカラーをして1〜2カ月間はお客さまがそのヘアスタイルで過ごします。だからすごく大切な仕事だと思います。だからこそ美容師はすごく好きな仕事ですし、来てくれるお客さまもいたので、長い目で自分のビジョンを考えたときにヘアメイクだけをするよりはお店を立ち上げていろいろな交流を持ちたいと考えました。

WWD:この取材も「フリューリ」のお客だという、ファッション業界人への取材から実現したものですよね。しかし、お店を持つことはさまざまな苦労もつきものだと思いますが。

Sakie:物件探しから内装など、オープン準備期間は3カ月とかなり急ピッチで進めました。大変という気持ちよりも、待ってくださっているお客さまもいたのでできるだけ早く作ろうという気持ちでいっぱいでしたね。「(当時)27歳でお店を開くってすごいね」と言ってもらえることも多いんですけど、資金面は公的機関から融資を受けることもできますし、やりたいことや場所が明確に決まっていれば、みなさんが想像しているよりも意外と大変ではないと思います。また20代で始めれば軌道修正がいくらでもきくと思ったのも大きいです。

WWD:若い世代のオーナーの考え方はこれまでとは大きく変化してきたように思います。

Sakie:美容師の仕事は手に職の仕事ですし、自分で働いていくために技術を学んできたわけで、「ずっとうちのサロンで働いてくださいね」って言われるとお店の経営や金銭面のことだけを考えて言われているような気がしてしまって……。50代60代になってもスタイリストとしてサロンに立ち続けることができるかと考えたら、難しいかなと思いました。

WWD:「フリューリ」にはSakieさんのほかにスタイリストの方が2人所属しているんですね。

Sakie:メンバーとしていますが出勤時間もバラバラですし、お客さまの来店に合わせて出勤するのもありにしています。完全歩合制なのでフリーランスで「フリューリ」に所属しているようなイメージです。ヘアメイクとしても活動しているスタイリストとは1カ月会わないときもあるぐらいです。個々に取り組んでいる仕事について報告はしてもらっていますが、「フリューリ」を使って自分がなりたい将来のために動いてほしいという思いと、サロンをたくさんの人に知ってもらいたいのでお店の発信をしてもらうこととトレードしている感じです。スタッフには、チームではあるけれども自分のやりたいことに向かって自由に動ける時間として使ってほしいという思いが強いですね。

WWD:最後にそんな思いを抱えるSakieさんはどんな人と働きたい?

Sakie:常に採用募集をかけているわけではないのですが、うれしいことに新卒採用や中途採用について聞かれることも多いんです。美容が好きな気持ちが伝わってくると嬉しいですけど、将来的に夢をかなえるかかなえないかは別として、自立して目標がしっかりしていて、「フリューリ」のことを理解してくれる人であればできるだけ協力したいと考えています。

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