ファッション

ワークマンはコロナショック前の水準へ、ユニクロは18%減にまで回復 専門店5月度業績

 専門店チェーン、セレクトショップの2020年5月度の売上高(既存店ベース)は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、4月に続いて大幅減が多数となった。ただし、ゴールデンウイーク(GW)明けから営業を再開する店舗も少しずつ増え、4月の落ち込み幅に比べると全体的にやや上向きとなっている点は明るい兆しだ。特にワークマンは前年実績に対し2ケタ増、ニトリは微増と、力強さを見せた。

 客層の拡大でこの間快進撃を続けてきたワークマンは、売上高が前年同月比19.4%増、客数が同17.1%増となった。4月は新型コロナによる客数減と低気温で売上高同5.7%増に留まっていたが、それ以前の勢いを取り戻している。GW中は全国869店(5月末時点)中165店を休業。徐々に営業を再開すると共に気温が上昇したことで、「冷感素材のコンプレッションウエアやストレッチのカーゴパンツなどが、一般用、ワーカー用の両用途で売れた」(広報担当者)。

 ニトリ(4月21日~5月20日)の売上高は前年同期比0.6%増。国内447店(2月末時点)のうち、5月は99店が休業していたが、リモートワークの拡大によってホームオフィス家具、簡易家具、収納・整理品が売れたという。テレビCMで打ち出した夏用の寝具類もヒット、“巣ごもり”消費でキッチン用品も売れた。

 ユニクロの売上高は前年同月比18.1%減。全国約820店中、5月は最大で311店を休業した点が響いたが、EC売り上げが「前年実績を大幅に上回る伸長」(広報担当者)となったことから、客単価も同19.1%増と伸ばした。夏物商品が好調で、メンズではジョガーパンツや“エアリズム”素材を使ったTシャツ、ウィメンズはワッシャーサテンスカートパンツ、クレープジャージーのTシャツ、ワイヤレスブラなどが売れ筋。6月2日時点での休業店舗は13。

 しまむらの基幹業態「ファッションセンターしまむら」の売上高(4月21日~5月20日)は前年同期比23.4%減だった。ただし、1カ月間休業した店舗(グループ全体で17店)は既存店から除外して計算している。グループ全2158店(2月末時点)中、同期間中は最大で78店が休業。「GW以降気温が上昇したことで、月末にかけてより上向きとなった」(広報担当者)という。

 「無印良品」の直営店、店舗への卸、ECの既存店売り上げは前年同月比30.3%減。全437店中、最大292店が休業していた。食品や「EC限定で10%オフの販促を仕掛けた」(広報担当者)家具類は比較的健闘した。5月1日からはアマゾン(AMAZON)で一部商品の販売を始めている。同様に、6月1日には「楽天市場」にも出店。年始に自社ECが長期停止するなど、やや不安な面があったECを、アマゾンと楽天への出店で強化し、新規客の取り込みを図る。

 アダストリアの既存店売上高は同44.8%減だった。「5月末時点で全1242店中1008店で営業を再開したが、7日までは国内全店が休業」(広報担当者)していたこと響いた。「再開している店舗は思った
以上に売れている」とも。ECは同50%増ペース。

 ユナイテッドアローズ(UA)の小売りとECの売上高は同46.2%減だった。徐々に営業を再開する店舗数は増えているが、5月末時点で約240店中177店の営業に留まっていることが影響した。ECは春物セールを打ち出していることもあって売上高同48.4%増。

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