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香港の小売業に大打撃 デモ長期化と新型肺炎で売り上げ50%減も

 香港の小売業が苦境に陥っている。2019年6月から行われている、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする条例への大規模な抗議デモの長期化によって打撃を受けていたところに、新型コロナウイルスの流行が追い打ちをかけた格好だ。

 香港小売業管理協会(Hong Kong Retail Management Association)のアニー・ヤウ・ツェー(Annie Yau Tse)会長は、「香港の小売業にとっては二重の災難だ。生き残れるかどうかという規模の壊滅的な損失をこうむる可能性が高い」と語った。

 同協会の調査によれば、加盟店の多くは1月24日から2月2日までの売り上げが前年と比べて30~50%減少したと回答している。中でもジュエリーや高級贈答品、化粧品、アパレル、フットウエア、パーソナルケア用品の消費が落ち込んでおり、同期間の売り上げが60%減と大幅に低下している。同様に、百貨店の売り上げ減も深刻だという。

 香港政府の発表によれば、小売業の19年の売上高は前年比11.1%減の4312億香港ドル(約6兆368億円)だった。月別で見ると、11月は前年同月比23.7%減だったが、12月には同19.4%減とやや持ち直していた。ツェー会長は、「専門家は新型コロナウイルス感染症の流行は夏ごろまで鎮静化しないだろうと予想している。小売業を支援するため、家主には賃料を下げるなどの配慮をお願いしたい。03年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した際は、事態の収束後に速やかな景気回復が見られたが、当時はこれほど賃料が高くなかったことを考慮しなければならない。今回は収束後に小売業が回復できるかどうかが読めず、SARSよりはるかに深刻な状況だと考えている」と述べた。

 20年ほど前の香港は、現在のような一大消費市場ではなかった。SARSの流行で経済的に打撃を受けた香港への支援策として、中国政府は03年に中国本土の主要4都市から香港への個人旅行を解禁した。こうした規制緩和によって香港は大きく成長したが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、現在は中国本土に通じる鉄道やフェリーなどの運行を停止して警戒を強めている。

 香港政府は2月4日、新型のコロナウイルスへの感染が確認された39歳の男性が同日午前に死亡したと発表した。香港ではこれまでに17人の感染者が確認されている。なお中国全体での患者数は2万人以上、死者は5日現在で490人となっている。

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