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「グッチ」がミケーレ初監修のリップスティックを発売 日本でも一部店舗で展開予定

 「グッチ(GUCCI)」はアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターが監修する初のリップスティックを発売した。ミケーレはリップスティックの製作工程全てに携わったという。

 新リップスティックはサテン仕上がりの「ルージュ・ア・レーヴ・サテン」を36色、ルミナスな仕上がりの「同ヴォワール」を18色、リップバーム「バーム・ア・レーヴ」をそろえ、それぞれ38ドル(約4200円)。カラー名はジーン・ハーロウ(Jean Harlow)やベティ・デイヴィス(Bette Davis)、グレタ・ガルボ(Greta Garbo)らハリウッド女優のほか、「ラブ ビフォー ブレックファスト」や「ワイズ・ガールズ」など映画にちなんでつけられている。中でもスターアイテムは幼少時代にミケーレが、自信に満ちた女性がつけていたイメージがあるという赤を再現した「25* ゴールディーレッド」だ。25はミケーレのラッキーナンバーでもある。

 パッケージデザインは、ゴールド1色やアールデコ・モチーフ、花柄などを展開。ミケーレは「デザインはモダンとビンテージのインスピレーションをミックスした。自分が幼かった1950年代に母親がつけていたリップスティックをイメージした。それにパワフルな意味合いを加えたくて、ハリウッドのディーバやシネマの世界観をプラスした」と語る。香りにもこだわり、「リップスティックはハンドバッグの中にあるものの中で最も美しい。素敵な香りがするのも魅力の一つで、今回のリップスティックはスミレの香りをつけた」。

 5月4日の公式サイトを皮切りに、5日にニューヨーク・5番街の旗艦店、6日にサックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)で発売。13日からニューヨークのウースターストリート店でも販売する。その後ヨーロッパや東南アジア、中国、中東、オーストラリアなど主要マーケットでも展開し、日本は2020年、一部の店舗で取り扱う予定だ。昨年9月にはビューティ専用のインスタグラムアカウントを開設しており、今後デジタルでのマーケティングに力を入れる。

 リップスティックの後はフェイスやアイメイクアップカテゴリーの新製品を発売する予定だ。新製品は今後ドロップ形式で発売していき、既存の製品は廃番にする。なお、既存のメイクアップラインはプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)が手掛けており、製品はフリーダ・ジャンニーニ(Frida Giannini)前クリエイティブ・ディレクター監修のもと、メイクアップアーティストのパット・マクグラス(Pat McGrath)がプロデュースしていた。16年にコティ(COTY)がブランドのビューティライセンスを買い取り、以来フレグランスを再構築し、販売チャネルの見直しなどを行ってきた。ミケーレが初めて監修した香水は「ブルーム」で、その後「フローラ」「アルケミスト ガーデン」をリリース。そのほか「グッチ ギルティー」をリニューアルし、ブランドのフレグランス事業は2年足らずで売り上げが世界ランキング17位から9位へと飛躍した。

 コティとグッチは売り上げ目標などを明かさなかったが、業界筋によるとリップスティックの初年度の売り上げは1億ドル(約111億円)を見込むという。さらに、フレグランスとビューティ全体の売り上げは10億ドル(約1110億円)を超えるという。「グッチ」は10万円以上もあるウエアよりも今回のリップで4200円と低価格のビューティを通して、より多くの若年層にアプローチできることに期待を寄せる。ビッザーリ社長兼CEOは「化粧品で幅広い客層とコミュニケーションをとっていきたい。ビューティは今後、ブランドをさらなる成長に導く大きなカギとなると信じている」と意気込む。
 

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