ファッション

香取慎吾インタビュー後編 “服に愛があってそれを仕事にしている人とのトークが楽しい”

 香取慎吾による国内初のアート作品展「サントリーオールフリーpresents BOUM!BOUM!BOUM!(ブン!ブン!ブン!)香取慎吾NIPPON初個展」が、豊洲のIHIステージアラウンド東京で6月16日まで開催されている。訪れてまず驚くのが作品の数とその大きさだ。アート展ではあるが126点の絵やオブジェに飲み込まれるような体感は音楽のライブや演劇の舞台に近い。ファッション通でも知られる香取に話を聞いた。(“アートへの衝動”から“アイドル観”までを語った前編はこちら)

WWD:以前、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「セリーヌ(CELINE)」が好きだと聞きました。

香取慎吾(以下、香取):今でも好きです。裏地が赤のライダースとか、僕のサイズがあれば今だに欲しいです。

WWD:好きな理由を言葉にすると?

香取:なんでなんだろう。形、縫製、革の感じとか全部ですね。裏の見えないところや袖口のディテールなど、“必要ない”ところにまでいい仕事をしている姿勢が好きだし、ほれちゃう。「こんなとこ要らないよ~」とか「なんでこんなことやっているの」とか(笑)言いたくなっちゃう。

WWD:今気になるデザイナーは?

香取:少し気になっているのは、「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」のメンズかな。ちらっとしか見てないですが、ちらっと見た感じがすごい好きそうで久々にファッション欲が湧きました。

WWD:久々のファッション欲だなんて寂しいことをおっしゃる。

香取:今もたくさん買っていますよ。ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」も、「グッチ(GUCCI)」も「バレンシアガ(BALENCIAGA)」も「ディオール(DIOR)」も。ただ、「ステラ・マッカートニー」はまだ持っていなけどなんか気になる存在です。

WWD:コラボレーションしてみたいファッションブランドはありますか?

香取:(かなり長考した後に)「グッチ」です。「グッチ」は膨大な商品群の中に、すごいヘンな(笑)ラインや「え、これ?」って突っ込みたくなるアイテムもありますよね。そこにこの(僕のアート作品の)感じ、ちょっと入(はい)れませんか?(笑)と。僕のキャラクターの黒うさぎとかどうでしょうか。あとは「ハンター(HUNTER)」の長靴をキャンバスにしてみたい。欲しい長靴ってなかなか見つからないし。

WWD:「ハンター」のアラスデア・ウィリス(Alasdhair Willis)=クリエイティブ・ディレクターはステラの夫でもありますね。描くとしたらどんな絵を?

香取:すごい晴れている絵とかでしょうか。

WWD:服を買うとき、接客は大事ですか?

香取:大事です。僕は“服バカ”を自負していますが、「金額はかわいくないけど、これかわいくないですか?」とか言いながら見せてくれたり、「これ、好きでしょ?」と提案してくれる販売員さんとの話が楽しい。服に愛があってそれを仕事にしている人とファッショントークをしに行くだけでも楽しい。他のブランドの話を振ったら、「実は自分、1つ前はそこにいたんです」とか返ってきたり(笑)、今後のブランドの展開を一緒に考えたり。洋服の買い物はそんな時間を含めて楽しいから。

WWD:「ヤンチェ_オンテンバール(JANTJE_ONTEMBAAR)」を昨年スタートさせ、服を“作る”“売る”側になって見えたこととは?

香取:AW(秋冬)でスタートし、今、初めてのSS(春夏)を体験していますが、すごく楽しいですね。秋冬と春夏の違いで試行錯誤したり。「ヤンチェ」の服には僕の描いた絵が反映されていますが、生地にのせると服のサイズと合わなかったりしますが、着地を考えて絵を描くのは違うし、と。自分の思い通りに描いた絵がそのまま服になればいいのにと思います。

WWD:「ヤンチェ」の店は売れていますか?セールをしたくないからコートは受注生産という方針だそうですが。

香取:おかげさまでコートも残ることなくよく売れました。周りのオトナたちの顔色がやる気に満ちあふれているから数字もよいはずです(笑)。早い段階で完売した商品もたくさんあり、「欲しいのに買えない」という声もたくさんあがりました。だからと言って大量に生産してセールはしたくない。次に買いに行ったとき、同じ商品が安くなっていると悲しいですから。祐真さんと始めた「ヤンチェ」は、質はきちんとしているのに、ファッションでしっかり遊んでいるのが理想だし、それを表現したい。売れ残ってしまうのは“遊んでいる”とは言えないから。

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