1. 「ピッティ」で見た紺ブレの孤軍奮闘

「ピッティ」で見た紺ブレの孤軍奮闘

コラム コレクション・レポート

2019/1/11 (FRI) 05:00

 WWDジャパン編集部の「アメトラ」担当を自認する僕が、イタリア・フィレンツェで開催中のメンズファッション最大の見本市、「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO以下、ピッティ)」の取材に3年半ぶりに来ています。ミッションはあれこれあるのですが(近日こちらで公開予定です!)、個人的に楽しみだったのは「アメトラの盛り上がり」でした。というのも欧州の各コレクションで、トレンドキーワードとしてじわりと来ていると聞いていたからです。

 「ピッティ」3日目を終えての感想は、ぜんぜん「来ていない」です(笑)。少なくとも来場者の装いに、それを感じることはできません。目に付くのは、いまだ上下をピンクやイエロー、グリーンのスーツで固めた“ピッティくん”たち。もはや風物詩であり、「ああ、『ピッティ』に帰ってきたんだな」と感じることさえできます。

 勝手に肩透かしを感じていたのですが、そんな中で孤軍奮闘する3つの事象を紹介します。

 1つ目は、1923年創業の英国ブランド「グレンフェル(GRENFELL)」のジョスリン・クラーク(Joslyn Clarke)=ヘッドデザイナーの着こなし。アメトラを代表するアイテムである紺色のブレザー(紺ブレ)は、数シーズン前の同ブランドのもので、胸のワッペンは自分で付けたそう。3つボタンの前合わせを、あえて上1つ掛けにしています(本来のアメトラ的着こなしとしては、中1つ掛けが絶対!)。ネクタイはやはりアメトラの象徴であるレジメンタルストライプで、そこにチェックのストールを“柄オン柄”しています。パンツはジーンズで着くずし、その足元は「グレンフェル」と同じ英国ブランドの「クロケット&ジョーンズ(CROCKETT & JONES)」。アイビーやプレッピーのマストアイテムであるサドルシューズを選ぶあたり、しびれてしまいます!ちなみに「グレンフェル」は、日本では2017年秋に伊藤忠商事が独占輸入販売権を取得し、子会社のコロネットを通じて販売しています。

 2つ目は、今回「ピッティ」に初出展しているオンワード樫山の「J.プレス(J.PRESS)」ブースで見つけた、裏地がタータンチェックの紺ブレです。同ブランドは1902年に米国・コネチカット州で誕生し、アイビーリーグ8校の1つ、イェール大学と共に歴史を重ねました。紺ブレはブランドのアイコンアイテムであり、「ナチュラルショルダー、ボックスシルエット、センターフックドベント」が特徴です。商品担当の加藤真郷さんが、「これまでヨーロッパは『J.プレス』にとって未開拓の地でした。『J.プレス』=紺ブレの既成概念がない新客に好評いただいています」と教えてくれました。

 3つ目は(いささか、おこがましいのですが……)ここまで書いてきた僕の取材時の格好です。アメトラの第一礼装である紺ブレを軸に、Vゾーンは「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」のボタンダウンシャツと米国のネクタイブランド「アイビープレップスター(IVY PREPSTER)」のボウタイで構成してみました。いずれもメード・イン・USA。自由の女神を刺しゅうしたスエットで、米国愛をごり押ししています(笑)。

 「ピッティ」全体の取材を通じて感じているのは、「英国的チェック」の健在ぶり。それらは、さらなる変化を遂げて“攻めるチェック”となっています。このあたりはしっかり紙面で記事にするとして、アメトラの聖地である米国東海岸は「ニューイングランド」とも呼ばれ、英国と切っても切れない関係にあります。つまり英国的チェックのあとには、やはりアメトラが来るのでは?というのが僕の希望的推測です。7~8年前に「ピッティ」来場者がこぞって米国ブランド「レッド・ウィング(RED WING)」のブーツを履いたように、米国ファッションがもう一度「ピッティ」を席巻する日も近い!?――そんな夢を思い描いて。

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