ビジネス

欧州最大の百貨店がアリババと提携 ITシステムも開発

 世界第4位の売り上げを誇る欧州最大の百貨店グループで、スペインに本店を置くエル・コルテ・イングレス(EL CORTE INGLES)が、EC事業の成長のため中国の主要EC企業アリババ(ALIBABA)と広範囲に提携することで合意した。計画には、クラウド・コンピューティング、電子決済、AI(人工知能)などが含まれる他、同百貨店の商品を中国のアリババ・ユーザーに販売することも含まれている。

 ビクトル・デル・ポソ(Victor del Pozo)=エル・コルテ・イングレス最高経営責任者は、アリババとの共同声明で「提携により、実店舗とオンライン販売を結びつけることが可能になる」と述べた。同じく、ロドリゴ・シプリアーニ・フォレシオ(Rodrigo Cipriani Foresio)=アリババ イタリア・スペイン・ポルトガル・ギリシャ事業マネジング・ディレクターは、「中国や世界中の消費者に、エル・コルテ・イングレスの素晴らしい商品や買い物体験を届けられることを楽しみにしている」と語った。なお、フォレシオ=マネジング・ディレクターは「Tモール(Tmall)」のヨーロッパ事業も担当している。

 この提携により、エル・コルテ・イングレスはアリババのデータ分析や顧客サービス向けのAIを含むクラウド・コンピューティング技術が利用可能となることに加え、「Tモール」や「アリエクスプレス(AliExpress)」など同社のショッピングサイトで商品を販売できるようになる。「アリエクスプレス」は11月11日の「独身の日」に合わせて同百貨店のマドリード店にポップアップストアを出店済みで、今後は常設出店やその物流センターの利用も検討している。

 エル・コルテ・イングレスは、スペインを訪れる中国人観光客向けにアリババの電子決済システムである「アリペイ(Alipay)」を今年すでに導入している。両社は、同百貨店で買い物をする中国人観光客向けの新たなサービスを開発するため、提携範囲を拡大する可能性があるとコメントした。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。