ファッション

「トリンプ」のイベントで来日した大女優ジュリアン・ムーアの素顔

 ランジェリーブランド「フロラーレ バイ トリンプ(FLORALE BY TRIUMPH、以下フロラーレ)」のグローバルイメージキャラクター(以下、キャラクター)を務めるジュリアン・ムーア(Julianne Moore)が9月末、2018秋冬新作発表イベントのために来日した。ムーアといえばハリウッドを代表する演技派で、アカデミー主演女優賞やカンヌ国際映画祭女優賞など多くの賞を受賞。「フロラーレ」のキャラクターを昨年から務めており、美しいランジェリー姿でキャンペーンに登場している。ハリウッド女優がラグジュアリーや化粧品などのキャンペーン以外に登場するケースはまれだ。来日したムーアに、キャンペーンや演技、ファッションなどについて聞いた。

WWD:今回の来日の目的は?

ジュリアン・ムーア(以下、ムーア):「フロラーレ」のイベントのためよ。本当にラッキーだわ。2008年に東京国際映画祭で映画「ブラインドネス(BLINDNESS)」の発表のために来日して以来、2回目。映画祭の後は京都に行って、本当に素敵な旅だったから、今回の来日もすごく楽しみにしていたの。

WWD:「フロラーレ」のキャラクターに任命された時の感想は?

ムーア:「トリンプ」は歴史がある一族経営の素晴らしいブランド。一族で会社を立ち上げて育ててきているブランドはすごいと思う。また、女性のためのブランドであるということが素敵なことだと思う。

WWD:ハリウッド女優がランジェリーブランドの顔になるケースはまれだが、それに対してどう思うか?

ムーア:とってもスリリングだと思ったわ。特定の年齢層へのマーケティング方法について聞いたことがあるけれど、「フロラーレ」は18歳や20歳向けの製品ではなく、ある程度の年齢を重ねた女性のためのものよ。

WWD:キャンペーンに登場する際に何か特別な準備はしたか?撮影はどうだったか?

ムーア:撮影はスウェーデン人の女性フォトグラファーで素晴らしかった。最高の気分で撮影できたわ。撮影チームの中の男性は私のヘアスタイリストだけ。だからとても快適に仕事ができた。皆、私を通して女性のイメージを作り上げるのに一生懸命だった。

WWD:ハリウッド女優としてさまざまな役を演じているが、このキャンペーンではどんな女性を演じたか?映画の中での役作りとキャンペーンの役作りの違いは?

ムーア:映画には必ずストーリーがあるけど、キャンペーンの場合はビジュアルがまずあって、通常ストーリーは後からついてくる。だからキャンペーンの場合は、ポジションや見え方を変えることがストーリーの変化になる。映画の場合はストーリーの語り部になることだから違うわ。

WWD:キャンペーンの撮影の場合は、演技とは全く違うということか?

ムーア:全く違う。キャンペーンはビジュアルが全て。雑誌やCMの撮影などもするけど、映画の撮影とは全然違うの。あるイメージをスタッフみんなでフレームの中で作ること。着ているものやポーズで変化をつけるけど、集合的にイメージを作り上げているだけで、ストーリー自体を演じるのとは異なる。

WWD:自身にとってランジェリーとは?

ムーア:とても個人的なもの。自分で買って自分で着けるもの。自分だけの、または自分とパートナーだけのもの。だから、なりたい自分になれるという素敵な面がある。自分が最高と思うものを選べばいいから、自分へのプレゼントのような存在ね。

WWD:どんなランジェリーが好きか?ランジェリーを選ぶ際に何か基準はあるか?

ムーア:快適であること。着け心地がよくて美しいデザインのもの。もちろん、着ている洋服の邪魔にならないということも大切ね。

WWD:ファッションとランジェリーの関連についてはどう思うか?

ムーア:洋服が何であっても、ランジェリーはそれと相性がよいものであるべき。それ以外は個人的なことだと思う。それぞれ好みが異なるから、ファッションもランジェリーも好きなものを選べばいいと思うわ。

WWD:女優としてあらゆる役を演じているが、その中でファッションが持つ力とは?

ムーア:人間って自分自身や環境を必要ないのに飾り立てる。私自身、洋服やメイク、部屋のデコレーションに興味があるし、それに関わるけど、それはコミュニケーションの一部ね。ファッションは他人に対する自身の表現。ファッションがその人自身のことを語るからとても興味深いわ。私たちはファッションというツールを通してお互いにメッセージを送り合っているのよ。

WWD:社会におけるファッションに役割はあると思うか?

ムーア:いろいろな部族があるように、社会にはさまざまな意味でのグループがあって、ファッションはそれを認識する手段の一つ。子どもやティーンの女の子たちは、着ているもので自分がどのようなグループに属しているか認識するの。同じ色のスエットシャツやスニーカーを着用することで、「これが私。だから、このグループに属している」という風にね。それが社会におけるファッションの役割だと思う。ファッションによりその人がどの地方出身か、どのような文化的背景の人か分かることが時々あるから。だからファッションには魅了されるわ。

WWD:もし映画で役を選べるとしたら、どんな役を演じたいか?その理由は?

ムーア:台本を読むまで分からないわ。役からストーリーに入るようなことはしたことがないから。常にストーリーがあって、そこから役に入り込むの。だから、いつも驚きがあるわ。台本を読むときは常に期待してしまう。どんな内容か分からないから。5~10ページ読めば、その映画に自分が出るか出ないか分かる時がある。予期しないほどエキサイティングな台本もあれば、これはがっかりだけど、もしかしたらいい映画になるかもって具合に、いつも驚きがある。

WWD:さまざまなファッションを着こなすが、お気に入りのブランドはあるか?

ムーア:「トム フォード(TOM FORD)」は大好きよ。トムは最高のデザイナーね。だけど今はクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)の「ジバンシィ(GIVENCHY)」が大のお気に入り。クレアと「ジバンシィ」はぴったりで、とてもワクワクするわ。今日のドレスも「ジバンシィ」で、よく着ている。

WWD:自身のスタイルは?プライベートでは、どのようなファッション?

ムーア:いろいろな要素を盛り込むスタイルは苦手。たくさん洋服を持っているから、シンプルにしたいの。プライベートに関しては、ニューヨークに住んでいるから、いつでも地下鉄に乗れるように動きやすくて歩きやすいものね。仕事ではフォーマルなものを着ることが多いけど、私の洋服のほとんどはカジュアルで動きやすいものね。日常着はニューヨークの人混みにもまぎれるようなものよ。

WWD:ファッションで最も大切なことは?

ムーア:自分のこだわり。ストリートからの影響がものすごくあると思う。彼らが何を着たいか、何を着ると気分がいいかとか。50年前とはずいぶん変わったわね。女性の着るものは本人じゃなくて他人におしつけられたものだった。今は、女性は自分の着たいもの、気分がよくなる洋服を選べるようになったと思う。

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