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東レとスタイレムが「プルミエール・ヴィジョン」のコンペで入賞

 東レとスタイレムが、世界最高峰のファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION、以下PV)が主催するテキスタイルコンペティション「PVアワード」で共に入賞し、19日に授賞式が行われた。このアワードはPVの出展者を対象にしたテキスタイルとレザーのアワードで、グランプリの他、風合いを評価する「ハンドル賞」、独創性を評価する「イマジネーション賞」、責任あるクリエイションを評価する「ファッション・スマート・クリエイション賞」がある。日本企業はこれまでにも入賞しており、13年には小松精練が、17年はエイガールズがグランプリを受賞し、日本のテキスタイルメーカーは高く評価されている。10回目を迎えた今回の審査委員長はデザイナーのオリヴィエ・ティスケンス(Olivier Theyskens)が務めた。

 東レは人工皮革“ウルトラスエード ヌー(ULTRASUEDE NU)”で「ファッション・スマート・クリエイション賞」を受賞した。この素材は廃棄物のスクラップフィルムをリサイクルし、原料まで分解するケミカルリサイクルを経て、本革風の人工皮革として生産している。15年から販売され、現在はファッション素材としてだけではなく、自動車の素材としても用いられるものだ。プレゼンターを務めた「ケンゾー(KENZO)」で製品開発を担当するデルフィーヌ・マルタン(Delphine Martin)は「再生ポリエステル糸を用いてエコロジカルでありながら、リッチな風合いが良かった」と評価した。

 スタイレムは「イマジネーション賞」を受賞。ビスコースフィラメントを先染めしてかさ高加工したバルキーヤーンを、無撚りのまま高密度で織り上げたテキスタイルが評価された。ポイントは、ゆらいだようなチェック柄とシルクのような質感、そして和紙のようなテイストも併せ持ち和のテイストが感じられる点だ。生地を開発した川本健太郎スタイレム事業本部テキスタイル マテリアル事業部21課企画は「非常にうれしい。艶と膨らみ、そしてシャリ感で和のテイストを表現した。合成繊維だがあえてナチュラルな仕上げにもこだわった」とコメント。審査員の1人でプレゼンターを務めた「メアリー・カトランズ(MARIE KATRANTZOU)」で素材開発を担当するラファエラ・マンドリオタ(Raffaella Mandariota)は授賞の理由を「ビスコースを用いて驚きのある風合いに仕上がっている。プラスチック感も良かった」と語った。

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