空前の“韓国ブーム”から日本企業が学ぶべきは“ビジネスモデル”だ

連載 韓国ファッションの今コラムEC日本上陸

2018/9/20 (THU) 11:00

 韓国ブランドに特化したECサイト「サードスプリング(3rd Spring)」を運営するリアルコマースが20日、ファッションECモール「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」に韓国ブランドを集めた新ショップ「アッパーステージ(UPPER STAGE)」をオープンした。「アンダースンベル(ANDERSSON BELL)」や「ナイン(NAIN)」「ソーイングバウンダリーズ(SWBD)」「ロウロウ(RAWROW)」「フロントロウ(FRONTROW)」など、まずは平均1万円以上のデザイナーズブランドを中心に14ブランドを集めた。

 韓国アパレルといえば東大門市場で仕入れた商品を販売するいわゆる“東大門ブランド”が多いが、「アッパーステージ」ではオリジナル商品を扱う新人デザイナーズブランドを多く取り入れた。「韓国では低価格帯の“東大門ブランド”に比べると、デザイナーズブランドの規模がまだまだ小さい。彼らは在庫数も少なく、自社ECの開設はおろか、卸をするにも個人では難しいことも多い。われわれが日本の窓口としてデザイナーズブランドの登竜門になれるようにしたい」と チェ・ハンウ(崔瀚友)=リアルコマース社長。

 「WWDジャパン」でも“韓流サードウエーブ”と銘打った特集を5月に組んだが、今年に入ってファッション、コスメなど韓流企業の日本進出は勢いを増している。数多くの雑誌も韓国を取り上げ、空前の“韓流ブーム”が起こっている。しかし、“日本に進出する韓国ブランド”という表層的な切り取り方だけでは、韓国アパレル業界の本質を理解できないように思う。

 そんな中、“分散型メディア”を運営するluteと韓国モデルを起用した企業支援に関する業務提携を発表したCoogeeの鈴木ヒロユキ社長は、「ファッションや美容、グルメ分野で起こりつつある“韓流サードウエーブ”トレンドに向けたソリューション事業を提案する。韓国ブランドの上陸という表層的なトレンドだけに流されるのではなく、なぜ彼らが次々と上陸を果たせるのか、その知見を学び、国内アパレルに対して提案していくべきだ」と主張する。“韓流サードウエーブ”の本質は、韓国ブランドのビジネスモデルにあるというのだ。

 たしかに、店頭にほとんど商品をおかずに“美術館”のような店舗展開を続ける気鋭アイウエアブランドの「ジェントルモンスター(GENTLE MONSTER)」のように、韓国には独自のブランド戦略を持つブランドが数多くある。「アッパーステージ」に出店をする「フロントロウ」も、自社で持つ生産背景を使って、シーズンごとに有名ブランドにクリエイションを依頼した限定商品だけをネット限定で販売するという独特の商品戦略をとっている。

 韓国には日本以上の数のアパレルブランドがあるとも言われ、独自性を持たなければ売り上げを上げることはできないという背景があることは事実だろう。また、その多くが小規模ブランドだったり個人企業だったりするため、“商品を置かない店舗”や“コラボアイテムしか売らないブランド”といった攻めの戦略ができるのかもしれない。

 ただ、こうしたブランドごとの独自戦略が奏功してか、ロレアルの「スタイルナンダ(STYLENANDA)」買収を筆頭に、「ジェントルモンスター」と「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」のコラボ、セレクトショップ「Aランド(A LAND)」の世界進出など、韓国企業が今年、日本に限らず次々とグローバル展開を実現している。日本企業として、表層的なブランドの進出という事実を黙認するだけではなく、自社で生かせるビジネスヒントを見つけることこそが、今後本当に必要なことなのではないだろうか。

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