三越銀座店で始まったレンタルサービスは“百貨店接客”の常識を変えるか

コラム企業動向シェアリングアプリ・ウェブサイト企業タッグ

2018/8/1 (WED) 11:00

 三越伊勢丹ホールディングスが8月1日、富士通と組んだシェアリングサービス「カリテ」を三越銀座店3階のプロモーションスペースで開始した。11月30日までの期間限定で、まずはブライダル用のドレスやワンピース、ブラウスなど、スポットニーズのある13ブランド約200商材を貸し出す。ユーザーは店頭で借りたい商品を試着し、気に入れば専用のアプリを通じて商品のQRコードを読み込むだけで、アプリ上でレンタル予約ができる。店頭でレンタルを迷った際には、自宅に帰ってからアプリで注文、自宅受け取りも可能だ。

 予約可能期間はレンタル開始日の21〜4日前までで、商品は店頭もしくは郵送で受け取る仕組み。3日前〜当日20時までの期間も、在庫があれば店頭で直接レンタルの申し込み・決済を受け付ける。レンタル期間は2泊3日で、利用後は返送する形をとる。8月からは顧客への案内に加えて、 星野リゾートなどと協業して新郎新婦を通して結婚披露宴の招待ゲストへの案内もスタートする計画だ。

 新サービスの目的について東海林憲昭・三越銀座店長は、「所有からシェアという、新しい価値を提供すること。そして、新規顧客を獲得することだ」と説明する。フリマアプリなど、若年層を中心にシェアリングエコノミー需要が高まる中で、リアルな場をもつ百貨店ならではの施策を考えた結果だろう。「ECだけで買い物を完結したいという顧客も増える中、こちらから店頭に来てほしいと押し付けるようなことはしない。ただ、百貨店でしかできないトータルコーディネートは大きな強みで、まずは足を運んでもらうきっかけを作り、スマホでは気付けない価値を提供できる場にしたい」と語る。

 協業する富士通の佐藤俊也・共創ビジネスグループ VPも、「シェアリング市場が成長する中で、自社だけではなく小売分野のビジネスリーダーでもある三越伊勢丹と組み、共創モデルを作っていきたい」と意気込む。まずはイベントなどのスポットニーズに向けた利用から始めるが、今後は百貨店の高価な商材を試してみたいという“お試しニーズ”やサブスクリプションなどの新サービスも視野にあるという。

 注目すべきは、三越伊勢丹と富士通、UXデザインを手掛けるスタートアップのARCHECOの3社で開発した専用アプリだ。今回のアプリではレンタルしたいアイテムをQRコードを使って読み込むことをメーンとしているが、前述の通り、店頭でレンタルをしなくても、気になるアイテムを店頭でサクサク登録し、自宅で1着に絞り込むような使い方もできる。自宅に帰ってからも販売員とコミュニケーションが取れるよう、店頭接客を受けた際に顧客と販売員がお互いをフォローする機能を用意した。これまでの百貨店からは考えられないような“接客のオムニチャネル化”が実現されるわけだ。

 東海林店長も、「実は三越銀座店では、4月からインバウンド顧客向けに『ウィーチャット』などを活用したオンライン接客などを検証中だ。これからの時代の販売員の働き方をまさに考える時期に差し掛かっている」と語る。商品在庫などのシステム統合だけでなく、百貨店が強みとする店頭接客をオムニチャネル化することは、これからの時代の販売員の意義を考える上で大きな意味があると感じた。

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