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中国第3位のEC企業ピンデュオデュオが上場 時価総額は3兆円超え

 アリババ(ALIBABA)、JDドットコム(JD.COM)に次ぐ中国第3位のEC企業、ピンデュオデュオ(拼多多、PINDUODUO)が7月26日、ニューヨークのナスダック・グローバル・セレクト・マーケット(NASDAQ Global Select Market)に新規上場(IPO)した。

 予測されていた16〜19ドル(約1760〜2090円)の最大値、19ドルでスタートした同社の株価は直後に26.5ドル(約2915円)に急騰し、最終的な終値は初値から40.5%増の26.7ドル(約2937円)だった。初日で16億3000万ドル(約1793億円)を調達した同社の時価総額は296億ドル(約3兆2560億円)と、市場予想の初日終値22.8ドル(約2508円)、時価総額288億ドル(約3兆1680億円)を上回った。コリン・ゼン・ファン(黄峥、Colin Zheng Huang)創業者は同社の株式46.8%を所有するが、その価値は138億ドル(約1兆5180億円)になる。

 ピンデュオデュオの初日調達額は、今年米株式市場に上場した中国企業のうち、動画ストリーミングサービス企業の爱奇艺(IQIYI)の24億2000万ドル(約2662億円)に次いで2番目だ。しかし10月には中国最大の音楽ストリーミングサービス企業テンセント ミュージック エンターテインメント(腾讯音乐娱乐、Tencent Music Entertainment)のIPOが控えており、その初日調達額は40億ドル(約4400億円)と予想されている。

 ピンデュオデュオは2015年にグーグル(GOOGLE)出身のエンジニアのファンが設立。3年でアリババの58.2%、JDドットコムの16.3%に次ぐ5.2%の中国EC市場のシェアを獲得した。同社が他の巨大EC企業から市場シェアを奪うことができた要因は、新たなショッピング体験の提供と、これまで見逃されてきた顧客層を開拓したことにある。

 ピンデュオデュオはSNSメッセンジャーのウィーチャット(微信、WeChat)と提携することによって、ユーザーは友人を商品の共同購入に招待し、人数を集めることによって他よりも安く買い物できるという、ゲーム感覚のオンラインショッピング体験を作り出した。また、ターゲットは中国主要3都市だけでなく発展途上地域の比較的所得の低い倹約したい層としており、ピンデュオデュオにおける発展途上地域の消費支出の伸び率は主要3都市を超えるという。

 共同購入のシステムはそれほど新しいものではないが、ピンデュオデュオは共同購入者の購入価格を他より下げることによって差別化を図っている。ものによっては無料でもらえる共同購入セールもあるほどだ。また、3億人のユーザーがウィーチャットを通じて友人に広めることで、最低限のコストで新規顧客を獲得できる。さらにフラッシュセールに力を入れており、他のサイトでは1〜2日で売り切れるセールも2時間で売り切る。

 中国のデジタルコンサルタント、ウォークザチャット(WALKTHECHAT)によれば、ピンデュオデュオのユーザーの半数以上が女性で、90%が30代以上だ。「この層のユーザーは非常に価格に敏感だが、リピーターが多く、家計を管理している人がほとんどだ。オンラインのショッピングに不慣れなユーザーが多いが、一度覚えてしまえば友人を誘い、ピンデュオデュオに長期的な利益をもたらしている。この層は購買力が高く、定期的に日用品やアパレルを購入するために利用する人が多い」という。

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