1. ゆうこすが教える“これからのインフルエンサーに必要なもの”

ゆうこすが教える“これからのインフルエンサーに必要なもの”

SNS インタビュー

2018/4/20 (FRI) 08:00

 4月にアプリ制作支援企業のヤプリが主催した業界向けのイベント「MOBILE MARKETING UPDATE」で基調講演をおこなったゆうこす(菅本裕子)の講演内容をレポートしたところ、大きな反響があった。元アイドルながらインスタグラムやEC、ライブコマースなどを駆使して自ら価値を生み出す彼女の考え方が多くのアパレル業界人に刺さったようだ。そこで、あらためて彼女が現在のビジネスにたどりついた経緯や今後のインフルエンサービジネスについての考えなどを取材した。

WWD:先日の講演にもありましたが、ゆうこすさんがHKT48卒業後にセルフプロデュースをしようと気付いたきっかけについて教えてください。

ゆうこす:一番はやっぱり、卒業後に自分でイベントをやってみて、お客さんが3人しか来なかった事件があったのですが(笑)。実家にいてお金がなくて、家族からも後ろ指さされて、自分で何かやるしかないという状況になったのが大きいと思います。

WWD:そこで、なぜ起業しようと思ったのですか。

ゆうこす:頼るところもなかったですし、人に馴染めないということもあって。一時はクレープ屋さんとかでバイトもしたんですが、「ゆうこすだ!」って言われるとダメで、1日で辞めちゃったり(笑)。あとは、「言われたことをしたくない」「好きなことだけやっていたい」というわがままがあったんだと思います。“3人しか来なかった事件”の3カ月後にターゲットを“ぶりっこに憧れる女子”に代えて企画をしたら、180枚のチケットが即完売して。コアなファンがついてくれることを実感して、起業しました。2016年の夏なので、当時22歳でした。

WWD:インスタグラムやユーチューブを始めた当時の目標は何でしたか?

ゆうこす:アイドルの頃はグーグルプラスだけやっていましたが、卒業後すぐにツイッターを始めました。当時17歳で多感な時期だったこともあって(笑)、ネット上でいろんな憶測を立てられたんですよ。それが嫌で、ある意味自己主張する場所として使っていました。インスタグラムとユーチューブは「ぶりっこ集まれ!」って感じで仲間だけを集めようと、3年くらい経ってから始めました。

WWD:現在の主な活動内容について教えてください。

ゆうこす:メーンはSNSで発信していくことです。これ仕事なのかな(笑)。他には執筆だったりイベントだったり、「やりたいことをやって生きたいの」というプロデュース業だったり。あとは、モノを作ってライブコマースで販売するのがすごく好きで、3年前くらいからやっています。最近では自分でスキンケアブランドの「ユアンジュ(YOUANGE)」も立ち上げました。

WWD:執筆活動は今もやっているんですか?

ゆうこす:昨年「SNSで夢を叶える ニートだった私の人生を変えた発信力の育て方」という本を出したのですが、これはインフルエンサーになりたい女子向けに作ったもので、その後ビジネスマンなど幅広い人から求められることが多くて。今はその人たちに向けて“SNSとマネタイズの話”をまとめようと思っています。秋くらいに幻冬舎から発売予定なんですが、まさに今執筆中です。

WWD:イベントの企画などは全てご自身で組み立てているんですよね?

ゆうこす:だいたい月2回くらいやっていますが、福岡や大阪、仙台、北海道、東京とか、食べたいものがある街でやることが多いんですよね(笑)。イベント会場はググるかファンにSNSで教えてもらって自分から連絡します。だいたい気分によってイベントを決めるので、かなりスピード感がある方だと思います。昨日も2週間先の100人規模のイベントを決めたところで、早く人を呼ばなきゃって(笑)。

WWD:スキンケアブランドの今後の予定は?

ゆうこす:まずは昨年末にボディジェルだけ発売したんですが、今はスキンケア一式をそろえようとしていて、秋には発売できる予定です。

WWD:なぜスキンケアだったんですか?

ゆうこす:もちろん好きだからなんですけど、スキンケアって毎日使うから使い切るのが早いじゃないですか。だから、買ってくれた人がインスタにアップしてくれる頻度も高いかなって。

WWD:プロデュース事業について教えてください。

ゆうこす:きっかけは私がアイドルを辞めて会社を立ち上げるまでに何度もモデル事務所に騙されかけたからなんですが、私のファンでも芸能を目指す子が多いんですけど、芸能界のことってあんまり情報がないじゃないですか。それで、彼女たちも街中で怪しい事務所に声をかけられて、騙されたりするらしいんです。私も同じ経験があるからこそ、私が話すべきことだと思い、コミュニティーを立ち上げてワークショップを開催したり、モデルになりたい子に向けてトークショーを開催したりしています。今は4000人くらいの参加者がいます。

WWD:マネジング業務のようなこともやっている?

ゆうこす:オーディションがあれば斡旋もしますし、実際ゆうこす事務所にも歌手やユーチューバー、漫画家など数人が所属していますが、彼女らはゆうこす事務所にいることを隠して活動しています。私が何かをやると、どうしても「ゆうこすだから上手くいくんでしょ」って言われちゃって。だから彼女たちが成功してから「実はゆうこす事務所だった」って言ってほしいですね。もちろんこうした経験を通じて私自身も学べることがあると思っています。

WWD:これだけの仕事をしていると、かなり忙しいかと思いますが。

ゆうこす:自分で忙しくしちゃってますね(笑)。ある程度メールやスケジュールも見ていて、隙間時間があると仕事を入れちゃって。これまで仕事はもらうものでしたが、動画編集だったり文章書いたり、SNSをやっていると自分で仕事を生み出せちゃいますから。SNSもコメントとかは移動時間にやりますが、1時間使って「今後のツイッターどうしよう」とかデスクワークみたいに考えたりしています。

READ MORE 1 / 1 ゆうこすが定義する“インフルエンサー”とは

WWD:ライブコマースはかなり好調だと聞きます。

ゆうこす:反響はすごくあるんですが、ここでも「ゆうこすだから売れるのでは?」って言われちゃうんです。だから気になって、同時期同時間にライブコマースと普通のECで同じ商品を販売してみました。ECでは1時間で200個完売だったのが、ライブコマースだと20分で500個完売で。販売しきった後の熱量がすごくて、買えた人も買えなかった人もコメントをくれるんです。

WWD:ライブコマースだと、なぜそんなに売れたんでしょうか。

ゆうこす:自分でモノを作っているから、ストーリーを語れるのは大きいと思います。ライブコマースって通販とお店のいいところを組み合わせた感覚で、お店だと緊張して聞けないことも、コメントだとハードルが低いですし。

WWD:そもそも、“インフルエンサー”をどう定義しますか。

ゆうこす:可愛いとかおしゃれだけじゃなくて、“いかに仲間を集められるか”じゃないでしょうか。フォロワーが多くてもモノを紹介して売れなければインフルエンサーではないと思います。

WWD:講演の時にハッシュタグ付きの投稿を促していましたが、その後ツイッターで「#yappli」がトレンド入りしていたのには驚きました。

ゆうこす:私は仕事をすると決めたら、必ず“影響を起こす”と決めて。講演でもツイッターにアップしてくれるように呼びかけるのはもちろんのこと、ツイートしやすいスライド、話し方を意識します。

WWD:ちなみに、「この人こそインフルエンサーだ!」と思う人はいますか。

ゆうこす:インフルエンサーってインスタグラムだけじゃなくて、本だったら(幻冬舎・編集者の)箕輪厚介さんもそうだし、メディアだったら塩谷(舞「ミリュー(milieu)」編集長)さんもそうです。塩谷さんは元々美大出身ですが、「美大の人の影響力が乏しすぎる」ということを思って、彼らを紹介するためにメディアを始めました。発信をしたくて、その思いに集まるファンがいるんですよね。

WWD:彼らの共通点ってあるんでしょうか。

ゆうこす:何より思いがあることです。そして、人を巻き込む力や言葉選びが上手いこと。エモい文章を書けるかどうかって大事なんです。いい写真を撮れるからといって、熱狂的なファンになるのか、人となりまで好きになれるかというとわかりませんよね。それを超えて、“伝えられる言葉選び”ができるかどうか。あとは、“他人目線になれるかどうか”です。塩谷さんもよく「ツイートする時にはRTして恥ずかしくないかどうかを考える」と言いますが、インフルエンサーってつねにチヤホヤされるので、ファンに囲まれてどんどんアップデートできない環境に追い込まれがちなんです。そうしてフォロワー数が多いわりに、エンゲージメントが下がったりするんです。こういう時に新しい何かを取り入れようという精神を持てるかどうか、です。

WWD:ご自身はどうやってコントロールしているのでしょうか。

ゆうこす:私は1回失敗していますからね(笑)。ユーチューブで高評価ばかりだと普通は喜びますけど、私は焦っちゃう。ある程度、挑戦して賛否両論あるくらいのほうがよくて、高評価ばかりだと、「挑戦できてないな」って思ってしまいます。

WWD:一方で、センスも必要だと思いますか。

ゆうこす:写真を撮るセンスはもちろん必要ですが、大事なのは“他人目線になれるセンスがあるか”どうかかなと。他人を思いやるセンスがあれば、「どういう写真が見やすいか」とか「どうすれば集まってくれるか」とかを考えられるんじゃないかと。

WWD:最後に、これからインフルエンサーを目指す人にアドバイスするとしたら?

ゆうこす:今後のインフルエンサーはいかに自分に熱狂して、他人を思いやれるか。この2つだけでインフルエンサーになれると思っています。頑張ってほしいというか、楽しいことをやるのが何よりの近道なので、とことんやってほしいと思います。

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