「ザラ」のAR体験サービスは“オムニチャネル”の先を見据えている

コラムアプリ・ウェブサイトテクノロジーEC

2018/4/13 (FRI) 12:00

 インディテックス(INDITEX)傘下の「ザラ(ZARA)」が4月12日、2週間限定のAR(拡張現実)体験サービスを開始した。カメラ機能がついた「Zara AR」アプリをダウンロードし、対象店舗のウィンドウディスプレイや店内のボックス型ディスプレイ、公式ECサイト、購入時の配送ボックス(20日到着分までに限る)にある“SHOP THE LOOK”にカメラをかざすと、新作の“ストゥディオ ライン”を着たモデルがARとしてアプリ上に登場するというもの。国内では六本木店や渋谷店などの16店舗で導入されるといい、まずは4ルックが登場。来週も新たなルックが次々と現れ、最終的には12ルックを公開するという。

 インディテックスは同アプリの開発のために、ファッション雑誌「セルフサービス(SELF SERVICE)」の共同設立者でクリエイティブ・ディレクターのエズラ・ペトロニオ(Ezra Petronio)を招へいした。170平方メートルのスタジオで、68個のカメラを駆使して撮影したモデル映像を使用するという。アプリ上でモデルが着用する洋服はもちろん、店舗をはじめネットで購入ができる。

 AR体験サービスの導入について同社は、「リテール環境の内外で顧客のエンゲージメントを図り、いまだかつてない購入・共有体験を生み出したい」という。いわゆるオムニチャネル施策だが、特徴は“店頭からECヘ送客をしている”という点だろう。よくあるオムニチャネルは在庫連携や顧客データの連携などが主であり、店頭とネットをつなぐことを目的としている。しかし、今回のサービスではシステム上の連携を手段として、店頭やECサイト、配送ボックスからアプリを起点にネットへと誘導をしている。そもそも、“ストゥディオ ライン”は東京でも新宿店と銀座店でしか扱っておらず、ECでの購入がメーンと考えられる。

 「ザラ」は今年1月、ロンドンで店頭受け取りに特化したオムニチャネルストアをオープンしたが、ここでも限りある店頭をショールーミング的に活用し、購入したい商品はネット注文後、当日中もしくは翌日中に受け取る仕組みを導入している。インディテックスの2018年1月期決算によれば、ECの売り上げは前年比41%増、EC化率は約10%。店頭からネットへのスムーズな送客を実現することで、まだまだポテンシャルを持つEC売り上げを伸ばすことができるだろう。

 アパレル業界で注目を集めるオムニチャネルだが、在庫連携などを実現しても“結局どちらで買ってほしいのか”を明確化している企業は少ないように思う。今回のARサービスでは店舗とネットの単なる連携に止まらず、店舗とネットそれぞれの役割を見つけようとする実験性のようなものを感じた。

■サービス実施店舗
新宿店、銀座店、渋谷店、渋谷公園通り店、原宿店、六本木ヒルズ店、池袋店、ラゾーナ川崎店、みなとみらい東急スクエア店、札幌 IKEUCHI ZONE店、仙台店、名古屋店、京都四条通り店、梅田店、心斎橋筋店、福岡天神西通り店

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