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服地卸大手の瀧定名古屋が9期ぶりの減益 今期はEC専業など新興アパレル強化

 服地卸大手の瀧定名古屋の2018年1月期決算は売上高が前期比0.4%増の662億円、本業のもうけを示す営業利益が同24.5%減の13億3400万円、経常利益が同23.7%減の16億9400万円と、営業利益は9期振り、経常利益は8期振りの減益を強いられた。売上総利益は同0.3%減の74億8900万円で、粗利率は0.1ポイント減少の11.3%だった。純利益は前期の名古屋本社のビル解体費用の引き当て金7億円の影響がなくなったため、同54.7%増の11億9400万円だった。

 減益の大きな要因は、基幹システムの刷新費用の先行償却費3億円に加え、主力の服地部門と中国現地法人の苦戦だ。全社の6割を占める服地部門の売上高は同1.7%減の394億円で、婦人服地、紳士服地のいずれの分野も減収だった。瀧昌之・社長は「15年ごろまで10年以上伸びてきたカットソー生地がトレンドの変化で伸び悩んだ。紳士服地でも主力販路のロードサイド量販店の在庫調整で売り上げが伸びなかった」と語る。年商100億円に成長した中国の現地子会社は婦人服地は好調だったが、苦戦が続いていたOEM(相手先ブランド生産)事業を大幅に縮小し、現地法人からの配当金が1億円減になった。「中国では、婦人服地の売上高は2ケタ増と絶好調だ。日本で生産する高品質で高感度なテキスタイルが、中国のファッション市場の成長に伴い猛烈な勢いで求められている。ただメンズについては未成熟で、いつかはかつての日本のDCブランドブームが来るようにも思うが当分は来なそうだ」と分析している。

 同社は業績見通しを公表していないものの、「今期も市場の厳しい環境は続く」と見る。そのためEC専業など全社で新興アパレルをターゲットに20チャネルを設定し、新規販路の開拓と輸出を強化する。売り上げ目標は設定していないものの、「売上高が10億〜100億円の企業がターゲット。TOKYO BASEなどの新しい発想を持った企業をターゲットにしている。ベンチャーファンドの充実やテクノロジーの進化により、多種多様な若い人が起業しており、かなり期待している。輸出も欧州がやや苦戦しているが、米国や韓国向けの紳士服地の販売が伸びている」という。

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