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「ルイ・ヴィトン」擁するLVMH2017年度売上高が5兆円、営業利益も1兆円突破

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON 以下、LVMH)の2017年12月通期決算は売上高が前期比13.3%増の426億3600万ユーロ(約5兆7558億円)、純利益も同28.8%増の51億2900万ユーロ(約6924億1500万円)と増収増益だった。営業利益は18.0%増の82億9300万ユーロ(約1兆1195億550万円)だった。

 決算会見でベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)は、2月1日に「セリーヌ(CELINE)」のアーティスティック、クリエイティブ、イメージ・ディレクターに就任するエディ・スリマン(Hedi Slimane)を「世界的スーパースター」と称し、5年以内に「セリーヌ」の売り上げが2、3倍になることを期待していると明らかにした。

 LVMHは傘下ブランドそれぞれの売上高や純利益の詳細を発表していないが、「セリーヌ」の17年度の売上高は10億ユーロ(約1350億円)近くで、「フェンディ(FENDI)」に次ぐものだったという。なお、1位は「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」で2位が「ディオール(DIOR)」だ。アルノー会長兼CEOは、「少なくとも売上高20億〜30億ユーロ(約2700億〜4050億円)を5年以内に達成することが、エディとの目標だ。『セリーヌ』が他に類を見ない成長をする準備はすべて整っている」とLVMH本社に集まった記者たちを前に断言した。

 「ルイ・ヴィトン」と米アーティストのジェフ・クーンズ(Jeff Koons)や「シュプリーム(SUPREME)」とのコラボが成功裏に終わり、特に後者は発売2週間で完売したと話した。「売上高をもっと伸ばすこともできたが、それをしなかった理由はいくつかある。1つは生産能力だが、特定の商品に対する需要が高すぎた際には、あえて供給せず商品の種類の豊富さを重視した。『ルイ・ヴィトン』ではトップクラスの商品が非常に好調に推移している」と明かした。「ルイ・ヴィトン」は、ユーロ高の価格調整のためヨーロッパ圏外の地域での価格を下げることも検討しているという。

 今後の買収やM&Aに関しては、「今の市場価格は非常に高い。買収やM&Aをするなら次の暴落まで待つだろう。市場全体が暴落し、他の人が何も買いたくないと思っている時こそ買い時だ」と語った。

 17年の通期決算では香水&コスメティクス部門の売上高は前期比12.2%増の55億6000万ユーロ(約7506億円)だった。この好調の背景にはリアーナ(Rihanna)が手掛けるコスメブランド「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)」の発売があるという。LVMHは同ブランドを所有するケンドー(KENDO)の株式の過半数を16年に推定1000万ユーロ(約13億5000万円)以下で買収している。「ブランドを立ち上げたため、過大な投資はしていない。3億ユーロ(約405億円)の売上高の化粧品ブランドに対して、10億ユーロ(約1350億円)以上で買収する競争相手もいるが、われわれは違うアプローチ戦略をとっている」と述べた。9月に同ブランドが発売されてから数億ユーロ(数百億円)の売り上げがあり、18年も引き続き野心的な目標を掲げているという。

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