ファッション

“現代の名工”三村仁司との契約に結実した「ニューバランス」のラブコール

 「ニューバランス(NEW BALANCE)」は1月17日、都内で新戦略発表会を行った。冨田智夫ニューバランスジャパン社長とトム・カーリオ(Tom Carleo)=米国ニューバランス・グローバル・ランニング部門担当副社長が登壇し、2020年に向けた短期目標を発表。1月1日に、同ブランドと5年間(満了後3年間の更新オプション)のグローバル・パートナーシップ契約を締結した靴職人の三村仁司も登壇し、契約に至った経緯を説明した。

 三村は「2017年1月から4件ほどオファーを受けていた。その中でニューバランスとは10回以上のミーティングを重ねた。全社をかけて協働したいという同社の熱い思いを感じたし、私が選手に対して抱いている思いも理解してもらえた」と、契約理由に双方の方向性の一致を挙げた。同社では、新商品開発のアドバイス、アスリートへの競技用シューズ製作、スポーツ量販店での研修の講師などを担当する。グローバル契約であることに触れ、自身が製作したシューズで、世界を舞台に活躍する選手と共に戦っていく意気込みを示した。

 冨田社長は、2020年までに日本のランニング市場で20%のマーケットシェアを目指すと話した。これまで弱かったシリアスランナー向けの商品供給を強化するなどして、ランニングカテゴリーの年平均成長率19.6%(14〜18年)を今後継続的に20%強に高めたい考えだ。「売り上げベースで年間100億〜150億円を達成することで目標に届くのではないか」と話した。

 カーリオ副社長は、アスリートや消費者とのコミュニケーションを図る取り組みとしてマラソンイベントのスポンサーシップを強調した。17年11月にはブランドとして初めて「ニューヨークシティマラソン」のスポンサーを務めた他、今後は「マンハッタンハーフマラソン」や「ブルックリンハーフマラソン」など、ニューヨークで開催される大会に協賛する権利を認められているという。18年4月の「ロンドンマラソン」のスポンサーシップも決定している。日本国内では、「湘南国際マラソン」のサポートを数年にわたり継続してきた。3月の「名古屋ウィメンズマラソン」のスポンサーでもある。カーリオ副社長は「日本の市場はダイナミックで、『ニューバランス』がベストなランニングブランドになるために重要。日本市場に切り込むため、ジャパン社とボストンのオフィスで協働し、ランニングシューズ『ハンゾー(HANZO)』コレクションを開発した。同コレクションにはさらに改良する余地があり、そのためにパートナーから学ぶものがある。そこで三村さんを迎えた」と、三村との契約について触れた。

 同ブランドのジャパン社における売り上げは、14〜18年で年平均成長率18%の伸びを示している。スニーカーおよびランニングカテゴリーがビジネスを牽引している他、テニス、野球、サッカー、ゴルフなどのカテゴリーへの参入も売り上げに寄与。自社によるリテールにも力を入れており、原宿、六本木、銀座の他、札幌、大阪など計9店舗を構える。年始の第93回「東京箱根間往復大学駅伝競走」では約10%の選手着用率を達成した。

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