「サカイ」の新作でコラボしているローレンス・ウィナーの個展が開催中

コラム 企業タッグ イベント

2018/1/17 (WED) 09:00

 現在店頭に並ぶ「サカイ(SACAI)」の2018年春夏メンズ・コレクションに使われているタイポグラフィーのテキスト、“STASIS AS TO VECTOR ALL IN DUE COURSE(物事はいずれ落ち着き、またはいずれ混乱に至るもの/大意)”を提供したアメリカのアーティスト、ローレンス・ウィナー(Lawrence Weiner)の個展が、東京のギャラリーTARO NASUで13日に始まった。ウィナーは1960年代後半に起こったコンセプチュアル・アートを代表するひとりで、日本ではこれまでにギャラリー360°などで発表をしている。

 コンセプチュアル・アートは、美術の本質を絵画や彫刻のような物体ではなくアイデア(考え)や概念にあるとするもので、それは20世紀前半のマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)以降、21世紀の今日に至るまでの美術の潮流や運動のほぼすべてに通底する考え方それ自体を取り出して作品とするに至った、ラジカルな運動だといえる。

 コンセプチュアル・アートは必然的に言葉を重視し、アーティストが提示したテキストを読んだとき、それぞれの観客の頭の中にすでに作品は成立しているとする。ウィナーもかつて「私の作品のことを知ったとき、人はそれを所有したのだ。その人の頭の中に入り込んで、私の作品に関することを取り除くことはできない」と述べている。今回の個展ではそのような考え方を日本語の国でも直接に成立させるために、ウィナーの英語のテキストとともに、ギャラリーが用意した候補の中からディスカッションを経て彼自身が選んだ日本語も添えた展示になっている。会場にはさまざまな日本語テキストも掲示されているが、たとえば“LEFT IN A CLEFT OF A TREE/きのわれめにのこされて”というテキストの前に立ったあなたの頭の中には、はたしてどのような作品が成立するだろうか。

 このようなデリケートにしてとんがったアートの道を長く走ってきて今年76歳になるウィナーだが、嗜好はコンセプチュアルではないようで、今回の東京滞在では焼酎がお気に入りだったそうだ。

 アーティストとコラボレーションをするファッションブランドは多いが、日本ではグラフィティーアートやグラフィックアートが多く、「サカイ」がコラボの相手としてウィナーを選んだことは意味がある。また、ブランドのハイブリッドとウィナーのミニマルなテキストとのコントラストの妙という観点からも、卓見だといえるだろう。

■ローレンス・ウィナー WATER & SOME OF ITS FORMS
日程:1月13日〜2月10日
時間:10:00〜18:00
定休日:日・月曜日、祝日
場所:TARO NASU
住所:東京都千代田区東神田1-2-11
入場料:無料

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