前田華子が語る5年目の「アディアム」とこれから

インタビュー

2018/1/2 (TUE) 09:00

 前田華子が手掛ける「アディアム(ADEAM)」は5周年を迎えた。コレクションは2013-14年秋冬から毎シーズン、ニューヨーク・ファッション・ウイークで発表を続けているが、17-18年秋冬からショーは演出に「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」などのショーを長年手掛けるフランス人のティエリー・ドレイファス(Thierry Dreyfus)が、スタイリストにはイタリア人のアダ・ココサル(Ada Kokosar)が加わり、プレゼンテーションの精度を高めている。

 前田は「ブランドの女性像と、顧客層が、ここ2~3年で近づいてきました。それは、ただブランドが考えるクリエイションを打ち出しても、女性に支持されない服を作っても意味がないということを学ぶことができたからだと思います。女性デザイナーとして自分自身が求めているものと、表現したいことが近くなった気がします。それは、仕事をしたり、旅行に行ったり、家庭があっていそがしく過ごしている日々の中で、『アディアム』を着たら、気分が高揚して、今日も一日頑張ろうと思ってもらえるような服。また、ショーを見て“素敵”で終わるのではなく、新しいコーディネート提案をしたいと考えています」と説明する。

 「アディアム」は日本で直営店舗、海外では卸と、ビジネスを2軸で展開する。現在東京では東京ミッドタウン、伊勢丹新宿本店、ギンザ シックスの3カ所に直営店を構える。海外ではロンドンのセールスエージェンシーのレインボーウェーブ(Rainbow Wave)と契約し、アメリカのサックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)、イギリスのセルフリッジ(SELFRIDGES)やブラウンズ(BROWNS)、香港と上海のレーンクロフォード(LANE CRAWFORD)、ドバイとクウェートのハーヴェイ ニコルス(Harvey Nichols)、オンラインではネッタポルテ(NET-A-PORTER)、モーダ・オペランディ(MODA OPERANDI)など有力店約10アカウントで取り扱いがあり、17-18年秋冬の国外売上高は前年比で60%伸びている。10月には、ニューヨークのバーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)の名物バイヤーであるリンダ・ファーゴ(Linda Fargo)=シニアヴァイスプレジデント・ウィメンズファッションディレクターから声がかかり、海外初のポップアップストアを2週間開いた。「初めの一週間で約6割の商品が売れたことに驚きました。また、リンダさんに認めていただけたことも自信につながりました」。

 前田はニューヨークでデザインを手掛け、日本では生産を行う。「アディアム」は数シーズン、ウオッシャブルコレクションを強化している。一見、洗濯機に入れることをためらってしまうようなドレスやプリーツスカートもある。前田は「バイヤーの意見は毎シーズンの通信簿のようですが(笑)、日本生産のクオリティーを本当に信頼してくださっていると感じます。ラグジュアリーでありながら洗濯機で洗えて、アイロンいらず。トランクの中に丸めて入れてもシワにならない機能性に、海外バイヤーから驚かれます」と話す。

 また、17-18年秋冬からはバッグとシューズをスタートした。イタリア生産で上質なレザーを使用したワンハンドルのバッグやアンクルブーツなどだ。18年プレスプリングからはバッグのカラーバリエーションをそろえる。

 さらに「アディアム」は授賞式や舞台挨拶、TV番組などの場で衣装としての着用が増えている。ロサンゼルスで出会ったスタイリストの紹介をきっかけに、今年3月8日の国際女性デーには、女優のアン・ハサウェイ(Anne Hathaway)がニューヨークの国連本部でスピーチを行った際に着用した赤いドレスを前田がデザインした。コレクションピースでは女優のヴァネッサ・ハジェンズ(Vanessa Hudgens)、テイラー・シリング(Taylor Schilling)、カミーラ・ベル(Camilla Belle)らハリウッド女優や、日本では石原さとみや戸田恵梨香、北川景子、佐々木希ら人気女優たちが着用している。

 前田は「まだ5年ですが、ここまで成長することができたのは、周りの方々に支えられてきたおかげだと思います。日本では両親の創業したフォクシーのベースがありましたが、アメリカではベースのない中で、自分で会社を立ち上げることは勉強になることばかりでした。はじめはバイヤーのアポイントメントが取れないことも多く、来ていただいても10分で帰られたりすることもありました。うまくいかないことが7割くらいで、3割うまくいったらいいなと思っています(笑)。私は自分の好きなことをお仕事にできて、生活しているということは本当に幸せだなとすごく感じています。ただ、これまでの道も試行錯誤でした。はじめは雑誌社にも洋服を見せに伺ったりと、何回も何回も見ていただいて、ブランドを理解していただけるようになりました。ブランドビジネスに近道はないと思います」と振り返る。

 今後については「国内、海外ともに多くの人にブランドを知ってもらえるよう、認知度を高めていきたいです。お客さまに“『アディアム』のお洋服が欲しい”と支持していただける商品を生み出し続けていくことが一番の目標です。また現在、直営店が東京都内のみなので、今後、関西をはじめ他の都市にも商品を紹介できる販売拠点を作り、いつかニューヨークに出店したいです」と展望を語った。

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