1. 採用業務のデジタル化は必要か? アダストリア人事部長に聞く

採用業務のデジタル化は必要か? アダストリア人事部長に聞く

キャリア インタビュー

2017/9/10 (SUN) 10:00
PROFILE:慶應義塾大学法学部卒業。筑波大学大学院ビジネス科学研究科国際経営学修士(MBA)。日系大手総合電気メーカーでの営業職や外資系飲食企業の経営企画を経験。その後、外資系人事コンサルティングファームで企業の制度設計や人材開発などに参画。大手ネット企業を経て、現職

 アダストリアは8月、ビズリーチが運営する人事クラウドサービス「ハーモス(HRMOS)採用管理」を導入し、デジタルを活用した採用を本格化する。多岐にわたる採用職種ごとの候補者とのやりとりや選考日程の調整などの採用業務の効率化を図るとともに、採用データの分析・可視化を促進し、今後の採用活動に生かす。同社で人事部門を統括する田中良興・人事部長に、採用業務のデジタル化の意図を聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):「ハーモス採用管理」を導入した理由は?

田中良興・人事部長(以下、田中):当社では各部署に採用希望の応募者数がどのくらいあるのか、合格率はどれくらいかといった当たり前のこともリアルタイムに把握できない状況だった。そこで、まずは採用にかかわる基本的なKPI(評価指標)を可視化していきたいと考え、利便性の高いツールをということで、導入を決めた。

WWD:なぜ採用状況の可視化を目指したのか?

田中:最近はIT企業から人を採用することも増えた。私も以前はIT企業で人事を担当していたが、IT業界を中心に採用スピードが速くなってきており、彼らに対抗できるインフラ整備をしなければならないと思っていた。そのためには、ある程度科学的に採用活動をし、タイムリーな状況を全社的に知る必要があった。

WWD:IT業界とアパレル業界において、採用活動の違いはあるか?

田中:IT業界では、エンジニアに対して採用目的の勉強会をしたり、直接スカウトをしたりいった“ダイレクト・リクルーティング”が多い。一方のアパレル業界では、紹介会社に募集を出して、応募が来たら面接をするというオーソドックスな採用活動が主流。アパレル業界は狭い世界なので知り合い同士も多く、業界からの採用にはダイレクト・リクルーティングが必要とは限らない。しかし、データ・サイエンティストなどの業界外の人材については全くネットワークがなく、積極的に採用活動を行う必要がある。

WWD:新卒採用の数も多いと聞くが?

田中:新卒社員は毎年増えており、来春にも300人以上が入社する。これは他社と比べても多いと思う。これに対して、採用活動の質を上げていくためにも、データの可視化は不可欠。また、採用データの蓄積に加えて、人事部のノウハウのをデータ化することで、今後の採用業務の効率化を図りたい。

READ MORE 1 / 1 可視化の次のステップは“企業ブランディング”

WWD:アダストリアとしての採用活動はどう変化した?

田中:求める専門性が多様化している。当社も売上高2000億円(2017年2月期)からさらなる成長を目指す時に、新規事業や海外展開、M&Aなど、会社にないノウハウを持つ人材を採用する必要がある。例えばSPAの本格化など、新しい人材を活用しながら成長してきたのが、アダストリアのDNAでもある。これからも飲食系やIT系といった新しい人材を積極的に採用しながら、人材の最適化を図りたい。

WWD:人材の最適化について、具体的な方策はあるか?

田中:ちょうど9月に全国で支店制度を導入した。これまでブランドごとだった縦割りのマネジメントを地域ごとに横串で管理する体制に変更した。これまでは同じ館に違うブランドが入っていても、うまく人員配置をできない状況があった。マネジメント側はブランドを越えた管理が必要になるが、これを機に店頭の人員最適化を目指したい。

WWD:採用情報の可視化の次のステップとは?

田中:当社はブランドこそ有名でも、どんな企業か、という印象がまだまだ薄いように感じる。働くための制度や社風、ここに入社すればどんな体験ができるのか、といった企業イメージをキャッチーに発信していきたいと考えている。当社の特徴として、長く働ける安心感と新しいことに挑戦できるワクワク感の2つがある。特に、時短勤務や保育園補助費用など、女性のライフステージが変わっても長く働ける環境作りには以前から注力をしている。こうしたイメージが広く伝われば、会社に合う人材が自ずと集まるようになるのではないか。

WWD:今後もさらなる採用活動のデジタル化は必要か?

田中:世間ではHRテック(AIを活用した人事業務)がブームといわれている。確かに、AIを使えば、採用段階で入社後の可能性を判断したり、能力を数値化したりといった分析が可能になるだろう。しかし、こういった技術がアダストリアに合うかどうかはわからない。一番大事なのは、フェイストゥフェイスで対話をして、相手の機微を読み取ること。たしかに、会社規模が大きくなると、補助的なツールとしてのデジタル活用は欠かせないが、店頭での対話を重要視している企業としては、技術を使うことで空いた時間を対話などの時間に使えるのであれば、素晴らしいことだと思う。

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