ビジネス

「バリー」と「ベルスタッフ」売却は年内目標

 「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を手離したJABホールディング(以下、JAB)による、「バリー(BALLY)」と「ベルスタッフ(BELSTAFF)」の売却には、まだしばらく時間がかかりそうだ。JABは4月、ラグジュアリー・ビジネスは非主力として、ブランドの売却を模索していることを表明。先行して「ジミー チュウ」は13億5000万ドル(約1470億円)でマイケル・コース ホールディングス(MICHAEL KORS HOLDINGS)に売却することを決めた。

 JABは年内の決着を試みている。「ジミー チュウ」に比べて規模の小さな「バリー」と「ベルスタッフ」の売却先として有力なのは、「ジミー チュウ」の買収を高額ゆえ諦めたインターパルファン(INTERPARFUMS)など、自ら店舗を持たず商品の卸を手掛ける企業になるだろうと関係者は予想する。もちろん、投資ファンドも買取候補になりそうだ。BNP パリバの投資部門でマネージング・ディレクターを務めるルカ・ソルカ(Luca Solca)は、「売却が一番困難なのは、ビジネス規模ゆえ高額だった『ジミー チュウ』。残りの2つは、それに比べて容易だろう」と分析する。

 とはいえ、「バリー」と「ベルスタッフ」は、未だ発展途上だ。「バリー」はレザーグッズの強化などで10億ドル(約1090億円)ブランドを目指しているが、道のりは遠い。「バリー」の関係者は、10月までには売却先の候補を絞るようだ。

 「ベルスタッフ」は、リブランディングの過程にあり、未だ黒字転換していない模様。7月には「ディーゼル(DIESEL)」などを手掛けるOTB、オンリー・ザ・ブレイブ(ONLY THE BRAVE)のレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)会長が買収を否定している。金融筋によると「ベルスタッフ」の損失は年間10億円規模にのぼっているよう。このため、売却といっても、実際には値段がつかない可能性もある。業界筋は、「JABは、ブランドは休止したくないようだ。でも、売りたがっている」。この間、「ベルスタッフ」は日本とカナダに店舗を構えた。

 両ブランドの売却先として有力とされる企業はこのほか、中国の投資会社、弘毅投資。一部関係者は、この夏「シャーロット オリンピア(CHARLOTTE OLYMPIA)」の過半数株式を取得した、オンワードホールディングス(ONWARD HOLDINGS)も候補ではとウワサするが、同社は他のブランドを狙っているようだ。

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