ファッション

「ファクトタム」2016年春夏東京・ファッション・ウイーク

[rel][item title="【スペシャル】東京ファッション・ウイーク2016年春夏特集 ショーの一般招待やファッショニスタ、参加ブランドのSNSレポート企画などを実施" href="http://r.advg.jp/adptg_count/r?adptg_aid=5824&adptg_mid=190&adptg_lid=2" img="http://www.wwdjapan.com/collection/wp-content/uploads/sites/3/2015/10/fcfab5479659ece4a63c9d70f38331d0.png"][/rel]

REPORT

魂が静かに語りかけるレイヤード

「ファクトタム」の2016年春夏コレクションは、アニミズムがテーマ。有機物・無機物を問わず、あらゆるものには霊的存在が宿るという信仰にインスピレーションを得た。

この霊的、というのは、今シーズンの「ファクトタム」において、重要なキーワードだ。カルトなどではない。デザイナーの有働幸司は、霊的存在のピュアネス、もしくは、霊的存在と対峙するときの汚れなき人間の内面などを重視したムード。コレクションは普段より静謐で、洋服を幾重にもレイヤードしているのに潔くシンプルに見える。天然素材やシャンブレー、シアサッカーのように軽やかな生地が、そんな雰囲気を助長する。

襟のないコート、貫頭衣のようにシンプルなパターンのトップスなど、ミニマルなアイテムも、神聖なムードを高めるのに役立った。

とは言え、それは宗教的だったり、原始的だったりのスタイルとも一線を画している。結果は神聖なムードに溢れたが、スタイルの源泉はあくまでストリート。丈の異なるアイテムの重ね着やフェイクレイヤード、スポーティーなブルゾンの存在が、提案しているのは、あくまで21世紀の洋服、スタイルであることを思い出させてくれる。よくよく目を凝らすとブルゾンは、スポーティーなメッシュやタイダイなど、現代的な素材やテクニックを備えている。人間が神や霊と対峙するときにまとってきた簡素な洋服をアップデートし、現代的でエフォートレスなスタイルに昇華した。

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